ゴルジ腱器官は、筋肉と腱の接合部に位置する感覚受容器で、
筋肉の張力を感知する主要なセンサーです。
筋肉が収縮すると、これらの受容器は筋肉の張力の増加を検出し、その情報を中枢神経系に伝えます。
ゴルジ腱器官は、多数のコラーゲン線維に包まれたIb神経線維によって構成されており、筋肉の伸張に応じて神経線維が刺激される仕組みになっています。
*************************************************************************
ゴルジ腱器官反射とは、
筋腱に持続的な伸張が加わるとその筋の収縮を抑制する反射です。
Ib抑制や自原反射とも呼ばれます。
Ib抑制は筋肉の使用状況や身体の状態に応じて変化する
非常に柔軟なメカニズムです。
例えば、ゴルジ腱器官の反射は、
「安静時には筋活動を抑制(Ib抑制)」しますが、
「歩行時には筋を活動を増加」させます。
安静時のIb抑制
安静時、つまり筋肉が積極的に使われていないとき、Ib抑制は筋肉の収縮を抑えることで、筋腱の過度な張力から守ります。これは、筋肉が必要以上に力を発揮することを防ぎ、リラックス状態を維持するのに役立ちます。
活動時のIb抑制の変化
しかし、私たちが歩行するような動的な活動を行うとき、Ib抑制の働きは変化します。この時、脳からの指令によって、筋肉の収縮を抑制する代わりに、筋肉の活動を促進するように調整されます。これにより、筋肉は適切なタイミングで力を発揮し、効率的な動きをサポートします。
Ib抑制の調節機能
この調節機能は、脳からの指令や他の感覚入力によって影響を受けます。例えば、危険を感じたときや緊急の動作が必要なときには、Ib抑制が抑えられ、筋肉が迅速に反応することができます。逆に、リラックスしているときや安全な環境では、Ib抑制が強化され、筋肉の過剰な使用を防ぎます。
ゴルジ腱器官の反射は、私たちの身体における重要な保護メカニズムの一つです。この反射の主な役割は、筋肉や腱が過度に伸ばされたり、過大な力が加わったりした際に、損傷を防ぐことにあります。
**************************************************************************
筋腱の保護
筋肉が強く収縮すると、筋腱に大きな力がかかります。ゴルジ腱器官はこの力を感知し、筋収縮を抑制する信号を脊髄へ送ることで、筋腱が過度に引き伸ばされることを防ぎます。これにより、筋腱の断裂や損傷のリスクを減少させることができます。
運動の調節
ゴルジ腱器官の反射は、運動中の筋肉の調節にも関与しています。筋肉が適切な張力で動作するように調整することで、スムーズで効率的な運動をサポートします。これは、特に高い精度が求められるスポーツや技術的な動作において重要です。
運動の協調
さらに、ゴルジ腱器官の反射は、筋肉間の協調を促進します。筋肉が収縮する際には、その拮抗筋がリラックスする必要があります。ゴルジ腱器官の反射は、このプロセスを助け、動作の協調性を高めることで、より流れるような動きを可能にします。
運動の適応
また、ゴルジ腱器官の反射は、新しい運動パターンを学習する際にも役立ちます。反射を通じて、筋肉は適切な張力を維持しながら新しい動きを習得し、効率的な運動パターンを身につけることができます。
安全性の確保
日常生活においても、ゴルジ腱器官の反射は、重い物を持ち上げるときや急な動きをするときなど、潜在的な危険から筋腱を守るために働きます。これにより、日々の活動が安全に行われることを助けています
***************************************************************************
このように
ゴルジ腱器官の反射は、筋腱の保護、運動の調節、協調、適応、
そして日常生活における安全性の確保という、
多岐にわたる役割を担っていますが
運動不足でしっかり筋収縮していない方の場合
筋収縮の抑制( 1b抑制)が効きすぎると
収縮不全という別の問題を引き起こします。
必要な筋収縮ができなくなり
関節、ひいては体全体の動きが悪くなり
姿勢や動作に様々な問題が生じます。
実はこれこそが
筋肉の痛みや硬さ=こりにつながってるケースがとても多いのです。
首、肩、背中、腰が硬いと感じたらボディケアグリーンズへ 森田