脊柱起立筋群(erector spinae)は、上半身の姿勢を保持するために非常に重要な筋肉群です。この筋肉群が機能不全を起こすと姿勢が崩れていきますし背中の痛みの原因にもなります。以下に解剖学的および運動生理学的な観点から詳しく説明します。
解剖学的構造
脊柱起立筋群は、主に以下の3つの部分から構成されています。
⒈腸肋筋(iliocostalis):頚腸肋筋、胸腸肋筋、腰腸肋筋
- 脊柱の外側に位置し、肋骨と腸骨から起始して、脊椎の各部位に付着します。
- 主に脊柱を伸展させ、側屈させる役割を持ちます。
⒉最長筋(longissimus):頭最長筋、頚最長筋、胸最長筋
- 腸肋筋の内側に位置し、腰部から頸部、頭部にかけて広がっています。
- 脊柱の伸展、回旋、側屈に寄与し、特に上半身を後方に引く働きがあります。
⒊棘筋(spinalis):頚棘筋、胸棘筋
- 最も内側に位置し、脊椎の棘突起から起始して、隣接する棘突起に付着します。
- 脊柱の伸展を助け、姿勢の保持に寄与します。
運動生理学的機能
脊柱起立筋群の主な機能は、姿勢の保持と脊柱の運動をサポートすることです。
⒈姿勢の保持
- 脊柱起立筋群は、重力に対抗して脊柱を直立させる役割を果たします。特に座位や立位での姿勢を安定させるために重要です。
⒉脊柱の運動
- 脊柱の伸展:体を後方に反らす動作を助けます。
- 側屈:体を左右に傾ける動作に寄与します。
- 回旋:脊柱を回転させる動作にも関与します。
⒊腰痛予防
- 強化された脊柱起立筋群は、腰部の安定性を向上させ、腰痛のリスクを低減する助けになります。特に、長時間の座位や立位での姿勢を維持する際に重要です。
トレーニングとケア
脊柱起立筋群を強化するためには、以下のようなエクササイズが効果的です。
- デッドリフト:全身の筋力を鍛え、特に脊柱起立筋群に強い負荷をかけます。
- バックエクステンション:脊柱の伸展を促進し、筋肉を直接鍛えることができます。
- プランク:体幹全体を強化し、脊柱の安定性を向上させます。
結論
脊柱起立筋群は、上半身の姿勢を保持するために不可欠な筋肉群であり、解剖学的な構造と運動生理学的な機能を理解することは、効果的なトレーニングや腰痛予防において重要です。適切なエクササイズを通じて、これらの筋肉を強化し、健康的な姿勢を維持することが推奨されます。
姿勢のことならボディケアグリーンズ 森田