骨格の歪みと筋肉・神経系の症状について
腰痛、肩こり、四十肩、坐骨神経痛など、
さまざまな筋肉系や神経系の症状に対して、
「骨格の歪みが全ての原因である」
と主張する骨格原理主義の考え方が整体業界の一部に存在します。
この見解には一定の正当性がある一方で、
決して全てのケースに当てはまるわけではない
20年前、自身が骨格原理主義者であった私は
今まで3万人以上のクライアントに施術させていただいた上で
そう思っております。
骨格の歪みと筋肉の緊張
例えば、仙骨は左右の骨盤(寛骨)をつなぐ重要な骨であり、
そこには脊柱から伸びる最長筋や肋骨からつながる腸肋筋が付着しています。
これらの筋肉が緊張している場合、
骨格原理主義者は「骨盤が歪んでいるから、仙骨が歪んでいるから」と考えるかもしれません。
しかし、実際には以下のような要因が関与していることが多いのです。
- 姿勢の影響: 前屈みの姿勢や座っている時には、上半身を支える最長筋や腸肋筋に過剰な負荷がかかります。この負荷が筋肉の緊張を引き起こし、結果として骨格に影響を及ぼすことがあります。
軟部組織の問題と体の使い方
骨格の歪みを矯正することは重要ですし、
私もかなり時間をかけて丁寧に矯正はしているつもりです。
でもそれだけでは問題解決にはならないケースが多いのです。
筋肉や腱、筋膜や靭帯、皮下組織など軟部組織への
緻密で総合的なアプローチは不可欠ですし
以下のようなサポートも必要だと考えます。
- 正しい姿勢の習得: 日常生活や運動時の姿勢を見直し、正しい体の使い方を学ぶことで、負荷のかかり方を分散させることができます。
- 筋力トレーニング: 他の筋肉を鍛えることによって、特定の筋肉にかかる負荷を軽減し、全体的なバランスを整えることができます。
- ストレッチとリラクゼーション: 緊張している筋肉を緩めるためのストレッチやリラクゼーション法も重要です。これにより、筋肉の柔軟性を高め、負担を減らすことができます。
まとめ
骨格の歪みが原因であるとする考え方は一部の症状に対しては正しいかもしれませんが、多くの場合、筋肉の緊張や姿勢、体の使い方が重要な要因となっています。適切な姿勢を学び、他の筋肉を鍛えることで、負荷を効果的に分散させることが、症状改善の鍵となります。
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