ハムストリングスは、太ももの裏側にある筋肉群で、大腿二頭筋(長頭と短頭)、半膜様筋、半腱様筋の4つの筋肉から構成されています。これらの筋肉は、股関節と膝関節をまたいでいるため、両方の関節の動きに関与しています。
主な働き
- 股関節の伸展: 脚を後ろに引く動作 (例: 歩行、ランニング、階段を上る)
- 膝関節の屈曲: 膝を曲げる動作 (例: しゃがむ、座る)
- 膝関節の回旋: 膝を内旋・外旋させる動作 (例: スポーツ動作)
- 姿勢の維持: 立位姿勢の安定に貢献
それぞれの筋肉の役割
- 大腿二頭筋:
- 長頭: 股関節の伸展、外旋、膝関節の屈曲、外旋
- 短頭: 膝関節の屈曲、外旋
- 半膜様筋: 股関節の伸展、内旋、膝関節の屈曲、内旋
- 半腱様筋: 股関節の伸展、内旋、膝関節の屈曲、内旋
ハムストリングスが癒着するとどうなるか?
筋肉の癒着とは、本来は滑らかに動くべき筋肉や筋膜が、周りの組織とくっついてしまう状態を指します。ハムストリングスが癒着すると、様々な問題を引き起こす可能性があります。
1. 可動域制限
- 股関節: 股関節の伸展が制限され、歩幅が狭くなったり、階段を上りにくくなったりします。
- 膝関節: 膝関節の屈曲が制限され、深くしゃがむことや正座が難しくなります。
2. 筋力低下
- 癒着により筋肉が正常に収縮できなくなり、筋力低下が起こります。
- これにより、歩行やランニングのパフォーマンスが低下したり、転倒しやすくなったりします。
3. 痛み
- 癒着した部分が引っ張られることで、痛みや違和感を感じることがあります。
- 特に、運動時やストレッチ時に痛みが出やすいです。
4. 姿勢の悪化
- ハムストリングスの柔軟性が低下することで、骨盤が後傾しやすくなり、猫背や腰痛の原因になることがあります。
5. 血行不良
- 癒着により血行が悪くなり、筋肉や組織への酸素供給が不足することがあります。
- これにより、疲労が溜まりやすくなったり、回復が遅くなったりします。
6. ケガのリスク増加
- 柔軟性が低下したハムストリングスは、肉離れなどのケガを起こしやすくなります。
それぞれの筋肉が癒着した場合
- 大腿二頭筋長頭: 坐骨結節周辺の痛み、股関節の伸展制限、膝関節の外旋制限
- 大腿二頭筋短頭: 膝関節の屈曲制限、外旋制限
- 半膜様筋: 膝関節の内側や裏側の痛み、股関節の内旋制限、膝関節の屈曲制限
- 半腱様筋: 膝関節の内側や裏側の痛み、股関節の内旋制限、膝関節の屈曲制限
まとめ
ハムストリングスは、歩行や運動に重要な役割を果たす筋肉群です。癒着が起こると、様々な身体の不調につながる可能性があります。日頃からストレッチやマッサージなどでハムストリングスの柔軟性を保ち、健康的な状態を維持しましょう。
脚の症状ならボディケアグリーンズ 森田