筋肉の緊張は、筋肉、靭帯、腱、筋膜などが伸長された際に生じる伸張感であり、骨の圧迫は、骨同士が接触することで生じる硬い停止感です。これらの感覚を区別することは、安全かつ効果的なトレーニングを行う上で非常に重要です。以下に、体のさまざまな部位における緊張と圧迫の区別方法の例を示します。
後屈の場合
後屈を行う際、体の前側(腹部、股関節屈筋)に伸張感を感じる場合は、筋肉の緊張です。一方、背骨の後方で硬い停止感を感じる場合は、脊椎棘突起同士の接触による骨の圧迫です。棘突起の長さや厚さには個人差があるため、圧迫を感じる部位も人によって異なります。
ポイント
- 緊張を感じる部位: 体の前側(腹部、股関節屈筋)
- 圧迫を感じる部位: 背骨の後ろ側
壁を用いた股関節外転ストレッチ(開脚位)の場合
壁を用いて股関節を開くストレッチ(開脚位)を行う際、内腿の筋肉(内転筋)に伸張感を感じる場合は、筋肉の緊張です。股関節外側部で硬い停止感を感じる場合は、大腿骨頭と骨盤の接触による骨の圧迫です。左右で感じ方が異なることがあります。
ポイント
- 緊張を感じる部位: 内腿の筋肉(内転筋)
- 圧迫を感じる部位: 股関節外側部
股関節屈曲(膝を曲げて胸に引き寄せる)場合
股関節屈曲(膝を曲げて胸に引き寄せる)を行う際、股関節後方や臀部に伸張感を感じる場合は、筋肉の緊張です。膝を胸に引き寄せ続けると、大腿骨頭が骨盤に接する部分で動きが停止する場合があります。これは、骨の圧迫によるものです。左右で感じ方が異なることがあります。
ポイント
- 緊張を感じる部位: 股関節後方、臀部
- 圧迫を感じる部位: 大腿骨頭と骨盤の接触部
前屈でハムストリングスをストレッチする場合
前屈時にハムストリングスを伸展させると、下腿後面(ハムストリングス)に筋の伸張を感じます。これは筋が伸張されることによる感覚です。しかし、前屈をさらに深くしようとすると、ある時点で動きが止まる硬い停止感を感じることがあります。この場合、股関節の前側で硬い停止感を感じることがあります。これは、骨盤と大腿骨が接触することで起こる圧迫であり、筋肉の緊張ではなく、骨による構造的な制限です。
ポイント
- 緊張を感じる部位: ハムストリングス
- 圧迫を感じる部位: 股関節の前側
これらの区別を理解することで、自己の身体の限界を把握し、より安全かつ効果的なトレーニングに繋がるでしょう。
体作り、体使い、姿勢の達人の店ボディケアグリーンズ 森田